元町映画館☆特集
「せーの、で始まるオレたちの音楽』アニメーション映画『音楽』公開
今年2020年を代表するアニメーション映画になること間違いなしの本作!
映像不可能と言われた大橋裕之さん原作、楽器を持ったことがない不良少年たちがバンドを組む、初期衝動溢れるロック奇譚『音楽』が2月22日より上映となります。この伝説の漫画に挑戦した岩井澤健治監督が取り組んだのは71分すべてを手書きによる映像作り。製作期間7年以上、作画枚数は40,000枚超にも及び、実写で撮影した素材をアニメーション化するロトスコープという手法を採用。声の出演は坂本慎太郎さん、竹中直人さん、岡村靖幸さんなど、これ以上ないキャスト。
今年2020年を代表するアニメーション映画になること間違いなしの本作は
こんなお話。
ある学校不良3人組、研二と朝倉と太田。授業をさぼりつつ各々の時間を過ごしていた。ある時、研二は楽器にであう。そこから3人組はバンドを組むことに。音楽の「お」の字もわからず、とりあえず3人で弾いた音楽は彼らの人生を変える…?
まさに青春映画。私たち大人が忘れそうになる出会い、初めて何かに遭遇/触れた興奮をこの映画は何度でも教えてくれる。「青春」から最も遠いようなこの不良3人組が教えてくれるとは。
何と言っても主人公の研二を演じる坂本慎太郎さんの声が素晴らしい。映画の中ではスキンヘッドでその辺では最も喧嘩強い、いわゆるおっかない奴。学校のクラスメイトは恐怖し、音楽の面白さを共有するバンドも恐れおののく。でも音楽に見た目は関係ない。どんなことも放り出して突き進むのが音楽の魅力。そして音を一つ鳴らしただけで「私たちのことはこれからミュージシャンと呼びなさい」と言ってしまえる研二。何かに引っ張られるように朝倉と太田も音楽にのめり込んでいく。
本作の魅力はそれだけじゃない。目標を持たせてくれた音楽好きの生徒、森田の存在。声優は平岩紙さん。これが本当に、すっ素晴らしい~。メガネの下に隠れる音楽への愛情。家には音楽CDが所狭しと並べられている。「こんな見た目だけど勉強はできないし、でも音楽は好きなんだ」この言葉を言える、アニメーション映画で聞けるなんて。フォークギターをかき鳴らし、70~80年代ぽいフォークソングをかき鳴らす一方で、ライブ会場では豹変。どっちが本当の森田なんて遠回りな表現はここではいらない。人間見た目じゃない!!
上映をご覧になったあと、きっとあなたは言い現すことのできない幸せな気分になるに違いない。「せーので、始まるオレたちの音楽」は誰にでも当てはまる。遅いことなんかない。好きはいつでも0から始まる。あなたの初期衝動を突き動かす本作、お見逃しなく。