地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、神戸の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

神戸の地域情報サイト「まいぷれ」

元町映画館☆特集

夢の中、駆け巡る ハンガリー映画『心と体と』元町映画館にて上映

2017年ベルリン国際映画際 金熊賞<最高賞>など4冠の快挙! 舞台はハンガリー、ブダペスト。ある食肉工場で働く孤独に生きる女と人生を諦めた男の不思議な恋愛を描く

2017年ベルリン国際映画際 金熊賞<最高賞>など4冠の快挙!
長編デビュー作『私の20世紀』がカンヌでカメラドール<最優秀新人賞>を受賞、18年間のブランクから復活したハンガリーの鬼才イルディコー・エニェディ監督。孤独に潜む人間、他人を愛すること、外界へ一歩踏み出す勇気をあたえてくれる優しい物語。

舞台はハンガリー、ブダペスト。
ある食肉工場で働く孤独に生きる女と人生を諦めた男の不思議な恋愛を描く。偶然出会った二人。代理職員のマーリアはコミュニケーションが下手。一方、上司のエンドレも自ら彼女に話しかけるもこちらもうまくいかず…。そんな二人にはある共通点があった。それは二人が「同じ夢」を見ていることだった…。

不思議というよりも、得体のしれないおどろおどろしさが画面いっぱいに広がる。でもそれは怖いというよりも心地よい。“夢”をきっかけに急接近する二人。日本のマンガ原作のそれとは違い、音楽も効果音も流れない。劇的なことは起こらないのに、二人の関係が縮まっているように画面から観て取れるのが不思議だ。手をつないだり、体の直接的な触れ合いはないけれど、視線や仕事の進め具合で「あ、人生(恋愛)うまくいっているんだな」と思えてくる。雪山を優雅に、そして何の不自由もなく歩く鹿。これだけでこの映画の得体のしれなさに引き込まれる。

一方現代。食肉工場というちょっと変わった職場では他愛のない会話が女性同士で繰り広げられる一方で「人を好きになることに不器用な男女」の恋愛のような行為がすすむ。交るはずのない男女が夢の中でであうことでファンタジィからとことんまでリアルに落とし込んでいく過激さも見所。全体的に雪の白さと工場の清潔さを保つ白、そして牛の血の赤が交互にリレーのように映し出されることで脳が混乱してしまった。恋愛を映像として形にした「純愛映画」はここまできたか。
気軽に見ると映像の力に打ちのめされます。
ハンガリー映画もっと観たい!!
心と体と
(監督:イルディコー・エニェディ/2017年/ハンガリー/116分/Testrol es lelekrol)

元町映画館での上映スケジュール
10/13(土)~10/19(金)12:30~
10/20(土)~10/26(金)17:10~