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元町映画館☆特集

パリを舞台にした70分の恋愛小旅行『静かなふたり』

映画が生み出す時間の波に浮いている、そんな感じの作品

なんともゆるりとした時間が続く。ホントにゆっくりと。なんだこの感覚はどこかで体験したことがある。公園のブランコに漠然と乗っていた感覚に似ている。何もしないぶらんぶらんしている。映画が生み出す時間の波に浮いている、そんな感じだ。

本作はこんな話。
27歳のマヴィは最近パリへ引っ越してきた。都会に馴染めない彼女を魅了したのはある古い古書店。偶然従業員募集の張り紙を見た彼女はすぐに応募して店へ出向く。そこにいたのは少し大柄で白髪の謎めいた店主ジョルジュだった。古書が積み上げられた特異な環境で惹かれあうふたり。歳の差を越えて大きな愛が生まれようとしていたある日、マヴィはジョルジュのある秘密を知ることになる。

世の中がやれ婚活パーティ、相席居酒屋で楽しんでいるここ日本じゃこういう映画は生まれないのかも。マヴィを演じるのは大女優イザベル・ユペールの娘ロリータ・シャマ。街がそうさせるのか、パリという街ではこういう出会いもおしゃれに見えてしまうから不思議だ。どちらも思わせぶりな態度で急接近はしない。しかし物語はジョルジュの秘密を知ることで一気にクライマックスへ。

パリという街がそんな急展開でさえ飲み込んでくれる。「受け止め方は自由」そんな終わり方もこの映画だから許されるような気さえする。パリへの小旅行を体験させてくれる70分間でした。
静かなふたり
(監督/脚本:エリーズ・ジラール/フランス/70分)

上映スケジュール
3/17(土)~3/23(金)
15:30~
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