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元町映画館☆特集

30年ぶりの劇場公開『ゴンドラ』

1988年に劇場公開されロングヒットとなった『ゴンドラ』が再び劇場に戻ってきた!

1988年に劇場公開されロングヒットとなった『ゴンドラ』が再び劇場に戻ってきます。
当時、20代の若者たちが自ら独立プロを立ち上げて生まれた本作。

高層ビルに住む少女かがりは母親と一緒に暮らしていた。母は仕事で帰りが遅くいつもかがりは一人だった。個食のかがりを支えるもの、それは二羽の文鳥だった。ある日、鳥かごの文鳥が激しく争い一羽が傷ついた…、茫然自失となった彼女の眼の前にある男性が現れる…。

過去の作品が続々とリバイバル上映されています。巨匠の~~記念、~~周年記念など理由は様々。本作の伊藤智生監督はなんと長編作品はこの1作のみ。それが30年ぶりに劇場公開され東京、名古屋、大阪、京都、そして神戸など、全国で上映中。

「なんだこの新しい、映像は」というのが初めて見た時の印象でした。あらすじに惹かれて作品を見て期待をグンと超えるその映像。88年といえばちょうど日本経済がいよいよバブル期に突入する頃。その中で主人公のかがりのような一人で食事をして親の帰りを待つ“孤食”を社会に問題提示するような作品を作った伊藤監督は凄いなと感じました。文鳥の痛みから生まれるかがりの葛藤や孤独は私たち見るものすべてに「人間が生きている」、「いきもの」ということを訴えてきます。物語後半には喪失感を埋めるため北へ。自分探しのために旅に出るというのはよくある話ですがかがりは自分に欠けた何かを求めて歩き出す。次第にかがりの目に映るものが観客が見るものになる。テンプレに沿った動線は見当たらず、すべてが新しく感じる映画だ。でも素人くさくない。公開当時に見ていたらどんな風に思ったか、考えられずにはいられない。

「記憶の片隅に残り続ける、何かを残してくれる映画」こういう映画を今、劇場で観れることは幸せなんだなと思いました。

ゴンドラ
7/8(土)~7/14(金)
12:30~
7/15(土)~7/21(金)
16:50~
※7/16(日)
17:10~