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元町映画館☆特集

これが元町映画館にできること『パレスチナ映画週間』開催

岡真理さん(京都大学大学院教授)と一緒にこの特集上映を開催します

パラダイス・ナウ
パラダイス・ナウ
「占領は魂の破壊」。その言葉はからこの特集上映は始まったように思います。今回は岡真理さん(京都大学大学院教授)と一緒にこの特集上映を開催します。
ヨルダン川西岸地区とガザ地区がイスラエルに軍事占領され、この6月で50年。その節目に占領の暴力、パレスチナ人がどのような戦いを強いられているのかを考えます。映画で。

上映作品は8作品。自爆攻撃に向かう幼なじみの若者2人を描いた『パラダイス・ナウ』、パレスチナのヒップホップ・ムーブメントを記録した『自由と壁とヒップホップ』、そしてイスラエル側から“占領という構造的な暴力”を描いた『沈黙を破る』などを上映。

劇映画である『パラダイス・ナウ』はフランスやドイツなどヨーロッパ諸国とパレスチナの共同制作。自爆攻撃に向かう若者から見た現実と、それを支援する団体、その事実を知らずに一緒に生活する家族や恋人。様々な視点から“自爆攻撃”をすることによって自分たちを証明しようとする嘘でない“リアル”が描かれています。生きるか死ぬかという極限の選択。普通の生活を過ごす青年が信じるものから「死んでこい」と言われる現実。しかも同時に「お前は救われる」という言葉を添えて。そのような日常が崩れていく瞬間は絶対に見逃してはいけない。はじめは間違いだと疑問を抱いていた主人公も徐々に気持ちが変化していき過激派に取り込まれていく。日常が非日常へと変化していき、“死ぬこと”=正しい、と刷り込まれていく。第二次大戦中は大量虐殺、ホロコーストなどが正当化されて多くの人が粛清されていたが、この占領の間には終わりがない。自分の肩書きなどは不必要。単純な感想でいえば「怖い」が先にくる。初めてそのような事実を知った時も同じような感情が生まれた気がする。でも地味に歳を取り、10代よりは視野も広がり思うことはそのような事実を知らないことが最も恐ろしいということ。対岸の火事で終わらせず、知ってしまったからには動くことがやはり必要だ。だからこうしてこのような特集上映を劇場独自で実施できることが素直に嬉しい。

普段、テレビや新聞などで見ても「他人事」のように感じた占領という問題。それを今一度知る、映像で体験はできなくても知ることから逃げてはいけないと感じる1週間。

『パレスチナ映画週間』
上映スケジュール
6/24(土)~6/30(金)※日替わり上映
上映作品
『パラダイス・ナウ』『オマールの壁』『我々のものではない世界』『壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び』『自由と壁とヒップホップ』『Women in Struggle-目線-』『ぼくたちは見た-ガザ・サムニ家の子どもたち』『沈黙を破る』
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