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元町映画館☆特集

湾生回家

心はいつも、台湾にあった

湾生回家

“湾生”という言葉の意味をご存知ですか。“湾生”とは、戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を指す言葉です。私は知りませんでした。

本作では実際に日本で生活する湾生の人々のインタビューを軸に自分たちの故郷である台湾への想い、そして誰しもが持つ故郷への想いが映像化されています。

正直、私は台湾と日本が現在友好的な関係を持っている…くらいの知識しかありませんでした。ましてなぜそんなに仲良し?ということまで理解していませんでした。
本作を見て想うこと、それは「誰もが生まれ故郷を持っている」ということです。当たり前なことですが、湾生の方々は生まれ育った台湾から強制的にうつされて、抵抗することもできず現在に至ります。

「強制的に故郷を離れる」それがどれくらいしんどく、大変であるかは経験していないので分かりません。しかし作品に出てくる湾生の方々は不満を言うよりもむしろ台湾、日本の良さを讃えて当時のことを語るのです。なんて懐が広いんだと思いました。台湾に戻り当時の知人に会いに行くシーンではどこからともなく涙が溢れてきました。知らず知らずの内に「もし自分の生まれ故郷がなくなったらどうしよう」と出演者の過去と自分を投影していました。それだけこの映像には嘘がなく、人を惹きつける力がありました。

最後に孫から「お婆さんの時は自由がなくてむしろ裏ましい。今は選択肢が多すぎてそれが悩みの種になる」と言われた湾生がいました。それを怒るでもなくただ「そうかしら。そうかもしれないわね」と笑顔で返事をするシーンが頭から離れません。時代が変わればそこに生きる人の考え方も変わっていく。それを否定もせずに受け入れる対応力に脱帽しました。

今、この作品を見ることができて本当に良かった。

元町映画館では2/10(金)まで上映中

1/28(土)~2/3(金)
14:30~
2/4(土)~2/10(金)
10:30~
毎週火曜日レディースデー
毎週水曜日メンズデー ともに¥1100