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元町映画館☆特集

家族の日

絆を失いかけた家族のひと夏の物語

家族の日

本作を見て「最近、家族揃って食事をしていないな~」と感じる。食事は家族の関係を良くする潤滑油みたいなもんだ。

東京に暮らす君原家族は父、母に長女、長男、次男の5人家族。ある時、うちの子がいじめをしていると聞かされた父親の信介はある決心をする。それは「家族みんなで田舎に引っ越してそこで生活をすること」だった。

学校は?仕事は?と問いかける家族を前に信介の意思は揺るがない。今まで住んでいた環境と全く違う場所で悩む子どもたち。そしてターザンと呼ばれる謎の老人の登場で事態は急展開。末っ子の真琴がある時、行方不明になってしまうのです。果たして君原家族はどうなってしまうのか…。

東京から岡山県高梁市へと引っ越してきた家族。「田舎は良い」「田舎にたまには住みたい」みたいなことをテレビなどで聞きます。私が住んでいたところはめっちゃ都会ではないけど、それなりに遊べる娯楽施設があった。たまに家族で外食に行ったりと。

本作はずっと綱渡りのような状況。丸っと収まっていない家族が登場。互いに意見の衝突はあるけど完全崩壊にはならない。それはなぜか。その鍵は家族で食事をとることだと思います。どんなに文句を垂れる姉と今日、何があったかを話す兄弟、すべては家族5人が一同に揃う食事の時。少し強面、信介役の伊原剛志さんがドスの効いた声で質問すれば妻の喜美子役の田中美里さんが優しくフォローする。自然と誰かが話す空気を作っている。少し沈黙が続けば食事をとればいい。子どもたちにとっても逃げ道がある。当たり前の食事の時間だけど映画を見て客観的に考えたらその時間はその家族にしか共有できない不思議な時間だ。

環境が人を変えるとはよく言ったもので本作はまさにそれだ。全く違った意見が飛んできて衝突も起こる、でも食事の時間で共有することで問題は和らぐ。
岸辺一徳さんがターザン役として出てきた時は驚いたがそれも出会いかなと。でも生命を復活させる力を間近で見れるのはここしかなさそうだ。まずはどんなことが起きても驚かないように家族みんなで食事をとることから始めよう。

『家族の日』
10/15(土)~10/21(金)
12:40~
10/22(土)~10/28(金)
16:00~
初日10/15(土)大森青児監督、中瀬優乃さん舞台挨拶。