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元町映画館☆特集

若き詩人

9/10.11はフランスの新鋭監督ダミアン・マニヴェル監督来館!

まず、本作のことを見る前に知っていてほしいこと。本作が着想からわずか1か月、監督を含めて4名のスタッフによって10日間で作られたすべて自費のDIY作品ということ。

そしてそれが世界的に有名な映画祭、ロカルノ映画祭で特別大賞を受賞したということ。本日はそんな低予算、だけど面白い!まさに元町映画館ぽい作品をご紹介。

あらすじ
青年のレミは世界を感動させる詩人になりたいと思っていた。それ実現するためペンとノートを持って海を眺めたり、山に登って鳥の声を聞いてみたり、自分なりにもがき詩作を通じて向き合おうとしていた。

詩人になる。それがいかに難しく、大変なことか。現在、詩人として活躍する人がどういう風に物事を自分の目で捉えようとするのかが伝わってくる。

そして本作の見どころは“何も起こらないこと”だ。それは=つまらないわけではない。最後の大どんでん返し!総制作費~億の映像革命 !とはもちろん真逆。一人の青年が探す、何かに出会う、ぼぉっーとする。人間であれば誰もが一度は体験したことのある日常がそこにはある。制作費がなかったからこういう日常を撮る結果になったかはわからない。青年のもがく様を71分に収めた。それも映画だ。

映画監督のギヨーム・ブラックは本作を見て「私たち観客は、アントワーヌ・ドワネルのいとこをこの作品で見つけるだろう!」と言ったらしい。“アントワーヌ・ドワネル”は巨匠、フランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』の主人公の名前だ。ジャン=ピエール・レオの挑戦的で好奇心のある行動に胸を打たれた人もいるのではないでしょうか。『若き詩人』のレミもかなり似てます。

やりたいことはあるけどそれは漠然としている。だからがむしゃらに向かい合う。それが衝突を生むことを知ってはいるけど解決策も見当たらない。青年期に見えるあがきや葛藤。国が違えどそんな悩みはあるものなのかと驚かされた。私は20代の時にこの映画に出会えてよかった。若い時に誰もが持つであろう不安や期待を描いたダミアン監督にアッパレ!

老若男女問わず様々な世代に“いま”見てもらいたい作品です。


『若き詩人』
9/10(土)~9/16(金)
19:40~
9/17(土)~9/23(金)
16:10~

※期間中『ダミアン・マニヴェル監督短篇集』上映、さらに9/10.11はダミアン監督来館。詳しくは当館HPヘ。